ブロマンス(Bromance)とは男性同士の親密で精神的な繋がりのこと。決してBL(=ラブストーリー)ではないです。
BLがラブストーリーだとすると、ブロマンスは強い絆や心の繋がりなど精神的な関係性を描いています。
「男性同士関係はラブじゃなくてもいい」という女子の嗜好を見事に射止めて、近年爆発的に流行っているんです!
目次
ブロマンスの意味・語源とは?
英語圏で生まれた[Brother]と[Romance]を掛け合わせた造語で、最初の使われ方は"男性同士のアツい友情"の意。
元々は「あいつらは四六時中一緒にいるよね」「あいつらだけにしかわからない阿吽の呼吸があるよね」みたいな使われ方でした。
現在は人々の解釈が変化してホモソーシャル(異性愛・同性愛を排除した男同士の結びつき)な親密さの一種とされています。(※海外のwikiも更新されている)
ブロマンスを友情以上恋人未満とする見方もありますが、中には恋人よりも家族よりも上位の絆として表現されることもあります。これらを踏まえて肉体的な繋がりではなく、"存在としての唯一無二"というような意味合いもあるのです。
作品によって異なるので読み手がさまざまに解釈できるというのもブロマンスの魅力ですよね。
恋人や家族よりも強い絆に潜む未知数のロマン…ここからはそんなブロマンスのおすすめ作品をご紹介します。
ACCA13区監察課
13区に分かれた世界にある、巨大統一組織ACCA(アッカ)。ACCA本部の監察課副課長ジーン・オータスは「もらいタバコのジーン」の異名を持つ、組織きっての食えない男。そんなジーンに起こる異変、謎の影…。世界の陰謀が、ジーンを絡め取ろうと動き出す――!!
組織に生きる男たちの様を描いた本作はまさしくブロマンスの真骨頂!(男)社会の中で"粋"が散りばめられたとてもオシャレな作品。ジーンとニーノ関係が本当にドラマチックです。読み進めるにつれて謎が深まるストーリーも秀逸。全6巻。
不機嫌なモノノケ庵
妖怪にとり憑かれて、高校入学以来、7日間保健室登校の芦屋。どうにかしたいとすがったのは、四畳半の茶室「物怪庵」の主だった―
現世(うつしよ)と隠世(かくりよ)という二つの世界を仲介しながら、迷い込んで困っている妖怪達の手助けをする物語。同級生でありながら主人と奉公人という特殊な関係性の2人ですが、ストーリーが進むにつれて深まるお互いの存在にキュンときます。全18巻。
『不機嫌なモノノケ庵』はマンガUP!で無料で読めます。
BANANA FISH
1985年、ストリートキッズのボス、アッシュはニューヨークのロウアー・イースト・サイドで、胸を射たれて瀕死の男から薬物サンプルを受け取った。男は「バナナフィッシュに会え…」と言い遺して息を引き取るー
1985年に連載され、2018年にアニメ化され…世代を超えて愛される名作です。アッシュの魅力が凄まじいですし、対になる英二との関係性はどの作品と比べても唯一無二と断言できます。読んだら最後、中毒になるか、魂を抜かれるかという作品ですので覚悟してお手にとってください。全19巻+番外編(文庫版全12巻)
まほろ駅前多田便利軒
まほろ駅前で便利屋を営む多田は、ある日仕事先の近くで、高校の同級生・行天と再会する。高校時代は言葉も交わしていなかった二人だが、行天は多田の事務所兼自宅に転がり込むことに。便利屋には、庭の掃除や子どもの送り迎えなど、「普通」の依頼が舞い込むが、二人が関わると一筋縄では行かない方向へ……?
三浦しをん先生の小説のコミカライズなんですが、もうキャラの雰囲気が優勝…!だらしない無精髭も、優男感も、原作ファンが「これが見たかった…!」と思うゆるい相棒感が最高です。ストーリーもグッと心に染みる大人向けブロマンス。全4巻。
最遊記
かつて天竺国に葬られた大妖怪「牛魔王」の復活を目論む者が現れた。その影響で「負の波動」が桃源郷全土に広がり、妖怪達は突如として自我を失い、凶暴化して人間を襲い始める。混沌と化す桃源郷、この事態を重く見た観世音菩薩は三仏神を通じ、玄奘三蔵に孫悟空、沙悟浄、猪八戒らを連れて西へ行くように命じるー
1997年の連載開始から今尚ファンを獲得している人気作。激しい戦闘シーンもシリアス展開もあるのですが、合間にある男達のわちゃわちゃ感が楽しいです。なぜかちょこちょこ裸体が多い(笑) 無印は全9巻。
応天の門
時は平安、藤原家が宮廷の権力を掌握せんと目論んでいたその頃、都で突如起きた女官の行方不明事件。「鬼の仕業」と心配する帝から命を受けた・在原業平は、ひとりの青年と出会う。その青年の名は、菅原道真ー
プレイボーイ・在原業平が20歳も歳の離れた天才ひきこもり少年・菅原道真を頼りに京で起こる怪奇を解決していきます。歳の差があるので相棒感はありませんが、不思議な縁で結ばれた二人とそれを取り巻く歴史的な事件の数々で、息もつかせぬ圧巻のストーリーです。
極彩の家
天から授かった鮮やかな色の髪を持つ“色彩の子”が育てられる寺院「極彩の家」。そこへ極上の色「漆黒」を持つ烏羽が現れたことで周囲に動揺が走る。望まぬ生活にイラつく烏羽、敵意をむき出しにする天藍、優しく穏やかな紅。彼らはそれぞれに事情を抱えていた―
閉鎖的な環境の中で、美しい色彩を持つ子ども達の揺れ動く心情を丁寧に描いた夢みたいな作品です。"色・彩"をテーマにした作品はいろいろありますが、本当に世界観が素敵で、丁寧に描かれているのが伝わってきます。少年(?)達の心に寄り添いながら読みたいセンチメンタルなファンタジーです。
グランネリエ
さまざまな力を秘めた、植物の“種”を造り出す者たち「グランネリエ」が存在する世界。“禁種”を体に取り込み望まぬ異能を得た少年・リュカは、「グランネリエ」に追われる立場となる。種の力に翻弄されるリュカはー?
有名なBL作家さんが描くnot BLファンタジーということで作者さん買いした人も多いのではないでしょうか。設定も凝っていて、繊細な絵柄が美しいです。この先生が描く男性キャラが魅力的すぎるんですよ…!!
LIMBO THE KING
多大なる犠牲者を出した眠り病撲滅から8年。任務中に瀕死の重傷を負い、退役の危機にあったアダムは、軍幹部から特殊任務を伝えられる。それは、なくなったはずの眠り病再発に絡む極秘ミッションでー?
圧倒的バディ感…!逞しいアダムと不遜で優男なルネのコンビがアツイです。ストーリーは近未来SFですが、本当に存在しそうなほど現実感があってドキドキしてしまいます。作者さんが日本人だと知ってビックリしました。全6巻。
穏やか貴族の休暇のすすめ
ファンタジーな世界で宰相として活躍していた青年リゼル。彼はある日突然、更に別の異世界へと転移してしまう。
冒険者に転身した彼は、持ち前の頭脳と人たらしな話術を活かして「休暇だと思って楽しみます」と軽いノリで異世界生活を満喫していくー
全くタイプの違う男性陣が次々と穏やかな物腰の主人公に落とされていく(※BLではない)のが面白いです。リゼルの自然と滲みでる高貴さがとても上手に表現されていて、思わず傅きたくなる気持ちがわかる…!波乱を波乱と思わせないほのほのとしたストーリーに癒されます。小説も面白いです。
『穏やか貴族の休暇のすすめ。』はマンガBANG!で一部無料で読めます↓
あとがき
今回は想像の余地があるからこそ面白い、ブロマンスの魅力が詰まった作品をご紹介しました。
ちなみに一部界隈ではブロマンスの金字塔は「シャーロックホームズ」のホームズとワトソンでは?なんて言われています。
さまざまな脚本でドラマ化され、漫画やアニメでも派生作品がたくさん出てきたので、その影響もあるかもしれません。
曖昧さ回避のために記載すると、筆者のなかでBLとブロマンスの境界はこんな感じです。
BL>ほぼBL(におわせ系)>Bromance(曖昧)
・BL →男同士の恋愛、しっかり性描写がある
・ほぼBL(におわせ系)→性的な視点や裸体の接触など"勘違いしがちな"描写がある
・Bromance →一般的な漫画だが男性同士の心理や関係性を深掘りしている、女性キャラがでてこない、相棒・バディものが多い
現在は男同士の関係性を描いた漫画にも多種多様な深度があるので「これ読んでる気分の時はこれも読みたい」「この作品が好きな人はこれも好きそう」という基準で判断しています。
BLっぽいおすすめ作品はこちら
完全にBLなおすすめ作品はこちら
気になる作品があった方は、ぜひ読んでみてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!