美術館に行くのが好きだけれど、絵をぼーっと見ているだけでなく、作品を少しでも理解して鑑賞してみたい!なんて思ったことありませんか。
西洋絵画を勉強したいと思っても、その難しそうな印象から尻込みしてしまい、何から手をつけたらいいかわからないですよね。
西洋絵画に関する本は山ほどありますが、まずは楽しく勉強したいという方向けに、活字が苦手でも気軽に読めて、基本を学べる本をまとめました。
これから紹介する本を一冊読むだけでも、今よりもずっと絵画の世界を楽しむことができます。
何から読めばいいかわからないという方は、ぜひ紹介する順番に読んでみてください。
目次
まずは漫画から!芸術家の世界を感じる本
さよならソルシエ
さよならソルシエ(1) (フラワーコミックスα)[Kindle版]
筆者が西洋絵画をもっと勉強したい、と思うようになったきっかけの本です。
立ち読みから入り、まずはその絵の美しさから、そしてストーリーにどんどん惹きこまれていきました。
正直、漫画からここまで西洋絵画や芸術の世界に興味を持つとは思いませんでした(笑)
その名を知らない人はいないほど西洋絵画の世界では有名なゴッホと、その弟テオをモチーフにした、実話に基づいたストーリーです。
2巻完結で、テオとゴッホという芸術家の人生が、切なく描かれています。
まずは、西洋絵画の世界に雰囲気から浸ってみたい、という方にぜひ読んでほしい本です。
ちなみに、著者の穂積さんの漫画は、豊かな感情の表現がとても魅力的で、どんどん引き込まれていきます。
壮絶な人生を描いた、ノンフィクションストーリー
テオ―もうひとりのゴッホ
「さよならソルシエ」を読んだ後には、きっと2人の関係について興味がでてくるはず。そんな方にオススメなのがこちらのノンフィクションです。前述の漫画の参考文献としても使われています。
雰囲気に浸るには漫画でも十分なのですが、やはり実際のゴッホとテオの人生とは異なる部分があります。その部分を補足してくれつつ、それ以上の鳥肌の立つような人生を読ませてくれるのがこちらの本です。
ゴッホがテオにあてた未公開書簡の数々から、その当時の雰囲気が細部まで描写されています。
テオという画商、ゴッホという画家、そして当時の作家たちの様子を知ることができる一冊です。
もう1つ、オススメのポイントは、現代にも似た悩みを持つテオの心理描写や台詞です。愛について、家族について、その辺の哲学書よりも為になりました(笑)
先人の人生から学ぶ、ということを考えると、テオもゴッホも、一人一人の人間として学ぶことがたくさんある、ということでしょうか。
大学でも使われる!当時の世界観を基本から学べる入門書
西洋美術史入門
いきなり堅苦しいタイトルの本になったなぁ、と思われるかもしれませんが、びっくりするほど読みやすい、西洋絵画の基本をまとめた一冊です。
大学でも基礎の授業に使われているというだけあって、少ないページ数の中でも、必要な基礎知識がきれいにまとまっています。
この本を読んだ途端、いままで断片的だった知識がすべて繋がる一冊です。
美術館や展覧会に行く前に読めば、絵画の見方、美術館に行った時の感じ方が今までとはガラッと変わることでしょう。
絵画だけでなく、当時の建築にも興味をもつきっかけも掴めました。とにかくわかりやすいので、入門にはぴったりの一冊です。
偉大な巨匠から紐解く、芸術家の人生
ピカソは本当に偉いのか?
タイトル通り、有名なピカソに焦点を当てた一冊です。
前述のテオとゴッホとは正反対の、芸術家としての栄華を極めたピカソ。
ピカソといえば、まるで落書きのような「泣く女」や「ゲルニカ」が有名ですが、決して、デッサンができないわけではなく、むしろ誰よりも絵の技術を持っていたことを教えてくれます。
彼がどのような人生を生き、どのような気持ちで前衛的な絵を極めるに至ったのか…
現代アートに繋がる作家として、一読の価値ありです!
作家の属性から、絵画を解説する異色の本!
ヘンタイ美術館
さぁ、ここまでの本は、芸術家やその時代背景などにスポットを当てていましたが、この本は、絵画や彫刻といった作品ひとつひとつを解説している本です。
その紹介の方法が、とてもユニーク。タイトルの通り、芸術家の「ヘンタイ」な部分に焦点を当てて、ひとつひとつの絵画や彫刻作品を面白く、ユーモアたっぷりに解説しています。
画家の性格・人生を時系列順や、カテゴリーごとに紹介しているのもポイント。
イラストがあってわかりやすいので、「作品」と「画家」に注目して、楽しく学びたい方にぴったりの本です。
総評
まだ、西洋美術への気持ちがそこまで高ぶっていないという方には、きっかけとして漫画「さよならソルシエ」から。
基礎の基礎をしっかり学んでから、画家や作品について深掘りしていきたいというかたには「西洋美術史入門」をおすすめします。
西洋絵画を学びたい気持ちにぴったりの本を、ぜひ読んでみてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!