皆さんにとって英国はどんなイメージですか。
アフタヌーンティーなどの優雅な文化に囲まれた貴族?それとも霧のロンドンを舞台にしたダークサスペンス?
英国といえば、歴史の重みを感じさせる少し堅苦しいイメージがありますが、”妖精”や”魔法”といったファンタジー要素も欠かせません。
そんな色々な一面をもつ”英国”を舞台にした漫画を、今回は3つの世界観にわけてご紹介します。
目次
妖精、魔法使い、歴史あるファンタジーの世界
銀曜日のおとぎばなし
イギリスの森深くに住む小人族のお姫様・ポーは、親友と出かけた先で、心優しい人間の青年・スコットと出会います。絵画の講師として働いているスコットと、小人のお姫様の恋と冒険を描いた物語。
過去に「りぼん」で人気を博した心温まるファンタジー。30年以上前に描かれたとは思えないくらい、その魅力は色褪せません。愛蔵版もでている隠れた人気作品です。全6巻完結。
魔法使いの嫁
ひとりぼっちだった少女を買ったのは異形の魔法使い。
西の果てと東の果ての2人が出会い、師として、家族として、ときには人間として、心の拠り所を見つけていきます。イギリスの田舎や魔法使いの世界が鮮やかに描かれた珠玉のファンタジー。
伯爵と妖精
19世紀のイギリス。妖精が見える少女リディアの前に現れたのは、妖精国の領主、青騎士伯爵の末裔を名乗るエドガー。妖精国への道を示す宝剣探しを依頼されるリディアだか、エドガーにはなにやら秘密があるようでー
人気小説のコミカライズ版。イケメン腹黒紳士に胸キュンまちがいなしの王道ファンタジーです。全4巻完結。
黒伯爵は星を愛でる
19世紀、ロンドンの下町で花を売って暮らしていたエスターの前に現れたのは、金髪の王子様・ヴァレンタイン伯爵だった。いきなり花嫁になることを告げられたエスターは戸惑うが。そこで自分が半吸血鬼(ダンピール)であることを知るー
生き別れになった兄を探すため、自分を利用しようとする貴族・レオンの求婚を受けたエスターだが、その気持ちは思わぬ方向へ。王子様のような伯爵に溺愛されるシンデレラストーリー。全12巻完結。
『黒伯爵は星を愛でる』はマンガParkで無料で読めます。
金色のマビノギオン―アーサー王の妹姫―
金の瞳を持つ少女・たまき。幼馴染の真(まこと)、広則(ひろのり)と共に訪れた、修学旅行先のイギリスで、突如見知らぬ世界に迷い込んでしまう…。
そこには自分と同じ金の瞳を持つ少年が倒れていて…!?
中世イギリスの歴史書やロマンスとして有名な『アーサー王物語』。
アーサー王と同じ魂を持つ主人公と幼馴染達が、物語に巻き込まれていく異世界トリップラブロマンス。
アーサー王について知らない人でも楽しく読めます。キャラクターそれぞれのラブロマンスも見どころ。
『金色のマビノギオン』はマンガParkで無料で読めます。
王国の子
場末の芝居小屋で役者をしていた少年・ロバートは、その様子に目をつけられ、王位継承権をもつ王女・エリザベスの影武者として生きることになるー
裏切りと陰謀が渦巻く王宮を舞台に、王女と影武者の絆を描いた王国ファンタジー。 地名や影武者など独自のアレンジが加わっていますが、実在したイングランドの処女王・エリザベス1世の生涯を元にした歴史ファンタジーです。
王家を取り巻く悲劇を次から次へと背負ったエリザベス。登場人物たちの末路は歴史そのもので、『王国』の激動をヒシヒシと感じることができます。全9巻完結。
薔薇王の葬列
中世イングランドで勃発した内乱・薔薇戦争。ヨーク家とランカスター家が王位簒奪を繰り返す中、ヨーク家の三男・リチャードは、男女両方の性を持つという秘密を抱えていたー
シェイクスピアの史劇「リチャード三世」「ヘンリー六世」を原案としたエピックファンタジー。
次々と入れ替わる王の冠に、だれが味方か敵かわからない複雑な人間模様。壮大な歴史と歪な愛の物語が美しいイラストで描かれています。重くて暗い展開が好きな方に全力でおすすめ。全17巻+外伝。
貴族階級 × 推理 × サスペンスの世界
HELLSING
吸血鬼による残虐な事件に対抗すべく結成された、大英帝国の王立国教騎士団・通称「ヘルシング機関」。 絶大な力を持つアーカードは、自身も吸血鬼でありながら吸血鬼討伐のエキスパートだったー
英国を舞台に、吸血鬼と吸血鬼ハンターの戦いを描いたダークバトルファンタジー。
敵キャラも含めキャラクターが魅力的で、とにかくセリフがかっこいい!流血表現も多いですが、ヒロインのセラスが色っぽくて好きです。全10巻完結。
黒執事
舞台は19世紀末期の架空のイギリス。
あくま(悪魔)で執事セバスチャンと、幼い伯爵シエル・ファントムハイヴは、裏家業である「女王の番犬」としてさまざまな事件に関わっていきます。
シエルの過去や葬儀屋の秘密など、多くの謎とサスペンスが飛び交う人気のダークファンタジーです。
憂国のモリアーティ
推理小説の祖であるコナンドイルが描いた名探偵シャーロック・ホームズ。
その世界の中で適役として描かれているモリアーティに焦点当てた話題の作品です。
「犯罪界のナポレオン」と称され、悪の権化として描かれるジェームズ・モリアーティを、階級社会のイギリスを改革しようともくろむ、新しいダークヒーローとして描いています。
その変化球なストーリーは今までシャーロックホームズを読んできた人を圧倒する出来栄え。
Under the Rose
19世紀イギリスの伯爵家を舞台に、母親の死の真相を求める少年・ライナスの孤独な闘いを描いた英国サスペンス。
貴族の家庭がベースになっており、メイドたちの姿も細やかに表現されています。
当時の貴族社会のドロドロが詰まった衝撃作。本編以外にも同じ世界観の『春の賛歌』『Honey Rose』のシリーズがでています。
海のクレイドル
産業革命時代のイギリス。仕えていた旦那様を亡くして屋敷を追われた少女・モニカは、雇い主であった旦那様との約束を守るため、旦那様の子息・エヴァンと共に海にでる。
謎に包まれた旦那様の死の真相を知るため、エヴァンを守るために船に乗り込んだモニカが出会ったのは、義手と義足の少年だったー
巨大な蒸気船を舞台に巻き起こる、少女と少年の壮大な冒険譚。
美しい情景の数々と疾走感のあるストーリーは、まるで映画をみているようです。
様々な人々の想いに涙する珠玉のアドベンチャー作品。全4巻。
プリーズ、ジーヴス
伯爵を伯父に持つ青年・バーティーの元に日々持ち込まれる問題。
優しい性格から頼みを断れないバーティーは、完璧すぎる執事・ジーヴスの頭脳によって問題を解決していくー
天才執事の活躍劇にワクワクが止まりません。ウッドハウスの有名小説をコミカライズした良作。
当時の英国の世界観を存分に味わえるミステリーです。
身分差のあるブリティッシュロマンスの世界
ご主人様に甘いりんごのお菓子
高賃金につられて森の奥のお屋敷に働きに来ることになったメイド・アップルビー。そこにいたのは1人の執事となにやら偏屈そうな若旦那様でー
お菓子作りが苦手なアップルビーと、英国貴族の甘党なご主人様の交流を描いたほのぼの物語。
温かなイラストがまるで絵本みたい。王道的なのに大人も楽しめるピュアなラブストーリーです。全2巻。
倫敦恋奇譚
妻と死別した中年の紳士・ヴィクター・グレンは、温和で心優しいメイドの少女・アンと出会う。
互いに惹かれ合うふたり。しかしそれは主人とメイドの許されない恋のはじまりでー
19世紀後半のロンドンを舞台に描かれた、純愛のブリティッシュロマンスです。
シリーズもので、メイドと主人の恋物語が進んでいきます。全7巻完結。
エマ
貴族ウィリアム・ジョーンズはかつての家庭教師・ケリーを訪ねた先で、眼鏡をかけた聡明なメイド・エマと出会い惹かれていきます。
ウィリアムからの求愛に次第に心を開いていくエマですが、それは決して祝福されることのない恋。
イギリスの階級社会で翻弄される2人の切ない恋物語は涙が止まりません。全10巻完結。
コルセットに翼
父を亡くしたクリスは、親類によりヨークシャーにあるデスデモーナ女子寄宿学校に入れられてしまいます。
レディーに必要なたしなみや教養を身につけるはずの学校は、校長であるミス・デスデモーナが支配する監獄のような場所。
厳しい環境の中で、それでも負けずに光へ向かって歩いていくクリスと仲間たちの恋と友情、成長を描いた物語です。全10巻完結。
ガーフレット寮の羊たち
1870年代のイギリス、パブリックスクールへ入学したアーネストを待っていたのは個性豊かな先輩と、なぜか自分を嫌う同級生。
伝統的なイギリスの全寮制学校で、訳ありの少年たちの複雑な人間関係を描いた群像劇です。
あからさまではないですが、少しBL要素があるので苦手な方はご注意ください。 全6巻完結。
月の出をまって
伯爵家の跡取りで、英国社交界きっての美男子・コーネリアス・エヴァディーンの周囲で巻き起こるミステリアスのエピソードを描いたシリーズ。
美しい絵柄とロマンチックなストーリーの数々がマッチした隠れた傑作です。
まさに紳士、淑女という方々が素敵ですよ。「うるわしの英国シリーズ」既刊5巻。
メロディの事件簿
最後は糖度高めの少女マンガを。
父親の急死によって貧乏になってしまったメロディは働きに出ることを決意。奉公先で出会った執事のアルフレドと次第に恋に落ちていきます。
執事と令嬢のやきもきする恋を描いた、プチ推理ラブコメディ。全4巻完結。
続編「薔薇咲くお庭でお茶会を」では湖水地方で暮らす2人の甘々なその後が描かれています。
あとがき
英国はヨーロッパの中でも、独特の雰囲気がありますよね。
格式高い英国も好きですが、古き良き習慣やファンタジーな世界観にすごく惹かれてしまいます。
実際に田舎の方では、そういった隣人(妖精や自然)を大切にする風習も残っているそうで、ぜひ行ってみたいです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!