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ファンタジーの世界にのめり込む!上橋菜穂子のおすすめ作品5選【入門】

上橋菜穂子さんは児童文学作家ですが、 児童文学にしては長編でテーマが重いしっかりした内容の小説が多いんです。

世界観の描写が細かく、思わず物語に入り込んで、読むのが止まらなくなってしまうほど中毒性のあるファンタジー。

今回は、上橋菜穂子先生の作品を、まだ読んだことがない初心者の方におすすめの順番にご紹介します。

鹿の王

2015年に本屋大賞を受賞し話題になった本作は、上下巻完結ということもあって初心者の方におすすめです。 大人向けなら一番読みやすく、世界観に入り込みやすい作品ではないでしょうか。

かつて戦士団”独角”の頭として戦ったヴァンと、医術師のホッサル、2人の男の視点がか代わる代わる描かれています。国の成り立ちから始め、伝染病、医療、疫学調査、生物たちの営みとメッセージ性の強い作品。重いテーマですが、読み始めのサスペンス感もあり、謎が次々と解けていく様子は圧巻です。

計4巻で文庫化もされていますので、旅のお供にどうぞ。

狐笛のかなた

人の心が聞こえる”聞き耳”の力を亡き母から受け継いだ小夜・12歳。ある日の夕暮れ、犬に追われる子狐を助けたが、狐はこの世と神の世の〈あわい〉に棲む霊狐・野火だったー

大人たちの争い、自らの宿命、秘められた過去、それらに翻弄されながらひたむきに生きていく切ない恋の物語。 上橋先生には珍しく、日本のような国を舞台にした、狐と少女の和風ファンタジー。

単巻で読めますし、切ない恋愛要素が見所の1つ。上橋先生ファンの中でも評価が高い作品です。

獣の奏者

闘蛇村に暮らす少女エリンは、獣ノ医師として働く母親と二人暮らし。闘蛇は戦いの兵器となる獣であることから厳しく管理されていました。ある日、闘蛇を死なせた罪に問われた母が残酷に処刑され、死地を逃れたエリンは蜂飼いのジョウンに救われます。そして王獣に魅せられたエリンは、母と同じ獣ノ医師を目指し、苦難の道を突き進みますー

戦いの道具として使われるトカゲのような生物<闘蛇>、そして人に馴れることはないと言われる闘蛇の天敵<王獣>。この物語では、架空の生物たちがメインでストーリーが進みます。獣ノ医師として成長していくエリンと獣たちの、どこか切なくなる幻想的な物語です。

文庫版も発売されており、外伝を含め全5冊からなるファンタジー長編作品です。

原作を読む時間がない人には漫画もおすすめ。

全11巻で原作の雰囲気もそのままに描かれた良作です。長編を読むのが苦手、という人には迷わずこちらをおすすめします。

精霊の守り人シリーズ

短槍使いの女用心棒・バルサは、川に流された皇国の第二皇子チャグムを救います。彼はその身に精霊の卵を宿していたことから、父親と怪物ラルンガからそれぞれ命を狙われていました。チャグムの母、二ノ妃に頼まれ、卵がチャグムの体を離れる夏至まで、一緒に暮らし始めたバルサとチャグムでしたがー

精霊の守り人」はシリーズの1作目で、30歳の女用心棒バルサを主人公に、人の世界と精霊の世界を描いたファンタジーです。 本編10冊と外伝2冊が出版されています。

シリーズでは、バルサが主人公の物語は題名に「守り人」、皇子チャグムが主人公の物語は題名に「旅人」と付いており、2人の物語は最終巻「天と地の守り人」で合流します。時系列順に沿って読むのもいいですが、最初の方が世界観に入り込みやすいので、発行順に読むのがおすすめ。

こちらもコミカライズされています!全3巻完結。

番外編:物語ること、生きること

数々の名作を生み出し、国際アンデルセン賞も受賞した作家・上橋菜穂子先生の、幼少期から小説家になるまでを描いた自伝的な作品。

祖母の語るお話と、イギリス文学が大好きだった少女時代。文化人類学者として研究者を志しながらも、常に小説を心に抱いていたこと。 行動を起こさなければ何もなすことはできないとしみじみ感じる一冊です。

物語を描くことを夢見る人、作家を目指す人はもちろん、進路に悩む人、人生に迷う大人に強くおすすしたい本。

あとがき

筆者の場合、思いっきり鬱々した気分を晴らしたい時は、長編ものの戦記小説や、壮大なファンタジーを一気読みして現実逃避するのですが、上橋菜穂子先生の壮大な世界観は、自然と読むのが止まらなくなり、深い死生観や生きることについて考えさせられる上質なファンタジー作品なんです。

読み終わった時、必ず何か残るものがある作品です。児童文学ですが、そういったジャンルを超えて幅広い世代におすすめします。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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