小さな星がほらひとつ

あらいぐま書店

Livraria de Rakumarō

心に響く、大人向けのおすすめ絵本10選

絵本は子どもだけの読みものでしょうか。

いえいえ、そんなことはありません。 子どもとはまた違った見方ができるのは、大人だからこそ。

今回は、大人だからこそ面白いと感じたり、奥が深いと感じ入ることができる、おすすめの絵本をご紹介します。

大きな木

ちいさな男の子と、大きなりんごの木は大の仲良しで、2人はお互いが大好きでした。 しかし、成長した男の子はもう木とは一緒に遊んでくれません。大好きな男の子のために、言葉通り身を切って尽くすりんごの木。 木は、本当に幸せだったのでしょうか?

最後の一文には、人によって様々な捉え方があると思いますが、筆者は涙が止まりませんでした。 英語の教科書にも載っていて、原文もおすすめ。いつ読んでも、何度読んでも感情を揺さぶられる絵本です。

やまとあな

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山は毎朝、美しい朝日がのぼるのを眺めます。穴は毎晩、地面の奥深くから響く地球の息づかいに耳を傾けます。 お互いがうらやましい山と穴は、その立場を交換することに成功しますが…。

シンプルなイラストと言葉で、余計なものは一切ありません。 ないものねだりする気持ちと、新しいことに対する慣れ、どんな立場になってもおそってくる恐怖、幸せは薄れることを淡々と描いています。

ここまでわかりやすく、そして心に染みる教訓もないでしょう。大人だからこそ、わかる感情がふつふつとわいてくる一冊です。

くまとやまねこ

突然、大切なことりを失ってしまったくま。 柔らかい言葉で彩られていますが、突然死んでしまった愛しい人への気持ちが伝わってきます。 大切に箱に入れたことりの亡骸、周りの動物たちの反応。

心を締め付けられるような絵本ですが、ぜひ最後まで読んでください。 誰にでも訪れる「死」とそれに伴う「生」について、優しく描いたお話です。

だいじょうぶだいじょうぶ

以前、僕とおじいちゃんは毎日のようにお散歩を楽しんでいました。

家の近くをのんびり歩くだけの散歩でしたが、

僕の世界はどんどんひろがり、新しい発見や楽しい出会いがありました。

でも一方で、困ったことや怖いことにも出会うようになり、

なんだかこのまま大きくなれそうにないと、思えるときもありました。

そのたびにおじいちゃんは僕の手を握り、

「だいじょうぶ だいじょうぶ。」

とおまじないのようにつぶやくのでした。

それは、この世の中、そんなに悪いことばかりじゃないってことでした。

やさしいタッチとほんわかした彩りが、みているだけで「だいじょうぶ」と感じさせてくれる究極の絵本。 疲れている時に読んだら泣いてしまうかも。

ずーっと ずっと だいすきだよ

あなたがだいすきだよ、と言葉にすることの大切さ。 思っているだけでは伝わらないし、いなくなってからじゃ届かない。 毎日の生活の中でなかなか言えないことを、ずーっと伝え続けた男の子に心打たれます。

ちゃんと伝えないと後悔するって、わかっているのに行動に移せない人への、静かな応援書です。

セロ弾きのゴーシュ

セロを弾くゴーシュは、楽団の中で一番下手で、団長にもいじめられています。 ある日辛い気持ちをひきずっていたゴーシュが練習をしていると、三毛猫がアドバイスをしにやってきます。 その後も様々な動物達がやってきては、ゴーシュにたくさんの音を教えていくのです。

少し偏屈なゴーシュがリアルで、動物達の温かみを感じる作品。 大人になっても色褪せない、宮沢賢治の名作を絵本にした一冊です。原文は、青空文庫で無料で読めます。

きみをみつけた

星を探す「ぼく」と、輝く星の「きみ」のおはなし。

「ぼく」は望遠鏡を持って丘の上に走り、そして夜空を見上げます。 ダンスを踊る「きみ」を見つけて大喜び。「ぼく」が「きみ」に花束を贈ると、「きみ」は「ぼく」のところへやってきます。 輝く「きみ」と愛を捧げる「ぼく」の、ロマンチックな恋。

大人向けの絵本には、切なかったり、苦しかったりするものが多いのに対して、ただただピュアな恋物語です。 夜空の青と、星の黄色が印象的な、とても美しい一冊。

もう ぬげない

着替えを一人でしようとしたけれど、ぬげない。 このままだったらどうしよう。

男の子のリアルなじたばたと、意外すぎる発想がとにかく面白い! 人生の悩み事はなんとかなるんだと思ってしまう、クスッと笑える絵本です。

子どもが読んでももちろん面白いですが、大人が読むとまた違った視点から読める一冊。

ぼくを探しに

「何かが足りない それでぼくは楽しくない  足りないかけらを 探しに行く」

かけた何かを探し続ける「ぼく」の物語。 単純なイラストですが、じぶん探しの真髄を描いた驚異の名作です。ぴったりはまった、と思ってもそこで終わりじゃないのがいい。

結局探しているものは必要なのかな、自分は自分をそのまま認めてあげようよ、という物語です。 いつも忘れてしまう教訓なので、何度読んでもハッとさせられます。

たいせつなこと

スプーンは食べるときに使うもの。 でもスプーンにとって大切なのは、それを使うと上手に食べられるということ。

グラスにとって、たいせつなのはむこうがわがすけてみえること。

たいせつなことは何か、ひとつひとつのものについて、語りかけた物語。 あなたにとってたいせつなことは…?

英語では”THE IMPORTANT BOOK”というタイトルでずっと読み継がれてきた作品です。 当たり前のことに気づかされる、大人にこそ読んでほしい絵本です。

あとがき

絵本は子どもだけのものと考える方もいるかもしれませんが、活字の量や文字のサイズは、決して内容の良し悪しに関係ありません。 少ない言葉だからこそ伝わる、想像できる、深く考えるきっかけになるのが絵本の良さではないでしょうか。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!