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IT革命時代!『平成』を振り返る漫画を厳選してみた【時系列】

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明治モダン(ハイカラ)・大正ロマン、昭和レトロ…

のちの時代にはその頃を象徴するような呼び名がつきますよね。

平成はまさにインターネットやIT分野が大きく発展した時代

漫画やアニメの表現も多様化し、 時代を象徴するような作品がたくさん生まれました。

今回はそんな平成の31年間を振り返るような『平成マンガ』を、時系列に沿ってご紹介します。

平成はいつからはじまったの?

1989年(昭和64年)1月7日に昭和天皇が崩御され、その翌日1989年1月8日から平成元年となりました。

漫画好きにとっての一大ニュースは、平成が始まってすぐ1989年2月9日に「マンガの神様」と呼ばれた手塚治虫先生が亡くなられたことです。

胃癌だったそうで、「頼むから仕事をさせてくれ」が最後の言葉であったというのは有名なエピソード。

昭和の漫画史を作った手塚治虫先生の活躍があって、平成の漫画史が作られたといっても過言ではありません。

 

手塚治虫先生の遺作となった『グリンゴ』は、今の日本人にこそ読んでほしい未完の名作です。

大手商社マンだった主人公が、支社長として赴任した南米で数奇な運命に巻き込まれていく社会派サスペンス。

排日感情の強い発展途上国を舞台に、「外国人からみた日本人」が赤裸々に描かれており、「日本人とは何なのか」を考えさせられます。

1989年(平成元年) 携帯型ゲーム機「ゲームボーイ」新発売!

家庭用・携帯型ゲーム機の歴史はここからはじまったといってもいいでしょう。

1990年には「スーパーファミコン」、1994年には「セガサターン・PlayStation」が発売されました。

平成の間に発売されたゲームは50機以上!2006年のWii、2017年のSwitchなどは印象に残っている人も多いのではないでしょうか。

そんなゲーム好きにおすすめの漫画が「東京トイボックス」。

下請け会社・G3で、面白いゲームを作ることに全てを賭ける男・天川太陽と、出向してきた月山が出会い、

ゲーム業界を舞台に、ゲームクリエイターたちの熱いドラマが繰り広げられます。

大手との確執や開発の裏側がリアルで、続編『大東京トイボックス』ではさらに踏み込んだゲーム業界の裏側も描かれていますよ。

1992年(平成4年) 日本人2番目の宇宙飛行士・毛利衛さんが宇宙へ

平成といえば宇宙がものすごく身近になった時代!

1994年(平成6年)には、日本人初の女性宇宙飛行士・向井千秋さんも宇宙へ行きました。

「はやぶさ」の活躍や国際宇宙ステーションでの長期ミッションに至るまで、とにかく革命が止まりません。

プラネテス』のような民間の宇宙行きが、身近になる時代も近いかもしれませんね。

『宇宙兄弟』は、宇宙飛行士の夢を追い続ける兄弟の絆と人生を描いた名作。

夢を追いかける人々の、本当の挫折と希望が詰まっています。既刊34巻。

1993年(平成5年) コギャル誕生!ルーズソックスが流行

昭和の「竹の子族」「ボディコン」から派生して、平成に出没した「コギャル」。

いわゆるミニスカ・茶髪が大流行しました。

1998年から2002年に「りぼん」で連載された『GALS!』には当時の流行が盛りだくさん。

ガングロギャグからメッシュ、だんご三兄弟など、今読んでも爆笑&感動のドタバタ人情活劇です。全10巻。

1995年(平成7年) アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」が放送開始

この頃から「名探偵コナン」をはじめ、日本のアニメ・映画が本格的に成熟していきました。

「新世紀エヴァンゲリオン」は、巨大な汎用人型決戦兵器「エヴァンゲリオン」のパイロットとなった14歳の少年少女たちと、第3新東京市に襲来する謎の敵「使徒」との戦いを描いた”終末もの”の代名詞です。

この作品がその後の漫画・アニメ・小説などクリエイターに与えた影響は計り知れません。

1997年(平成9年)  「ポリゴンショック事件」勃発

アニメ「ポケットモンスター」の放送が開始されたこの年、事件は1997年12月16日に起こりました。

第38話「でんのうせんしポリゴン」においてコンピュータ世界を表現するために、作中で"激しい点滅のエフェクト"が使われ、視聴していた子ども達およそ600人近くが体調不良を訴えて病院へ搬送されました。

原因は激しい光の点滅を断続的に見たことによる『光過敏性発作』。アニメポケモンはその後、4カ月にわたって放送休止。

この事件がきっかけで「テレビを見るときは部屋を明るくして離れて見てください」というテロップが表示されるようになりました。

2000年(平成12年)  ケータイ小説が流行

いわゆるガラケーでインターネットに接続できるようになり、若者の間で流行ったケータイ小説。

執筆者がプロではなくてアマチュア作家が多く、過激な恋愛・人生をテーマにした小説が話題になりました。

現在の「なろう系」小説のコミカライズの前身といってもいいでしょう。

この頃、同時に手ブロ(手書きブログ)でオリジナル作品を投稿するアマチュア作家さんも多く、WEB漫画が盛り上がりをみせた時期でもあります。

現在はネットで有名になった作品が書籍化されることも多く、プロとアマチュアの垣根がなくなりつつありますが、当時はペンタブもまだ一般的ではない中、マウスやパッドで頑張って描いていました。

今でもおすすめしたい、この当時の名作が『RBB(赤黒き蒼)』です。

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(出典:RBB)

処刑人「首刈り」は悪魔であるとされ、国中の人から忌み嫌われていた。

幼い少女・マリーは、接触を禁じられている首刈りと偶然出会い、その赤黒いと伝えられている瞳の本当の色を知ってしまう…。

大学生になったマリーと、軍人シローマル、首刈りラズの3人の物語。

10年以上Web漫画に触れてきてなお、この作品を忘れることができません。

作者さんは残念ながら亡くなっていますが、多くの人に読んでほしい傑作です。

2004年~2006年(平成16~18年) 『DEATH NOTE』が社会現象に!

平成の漫画といえば『ONEPIECE』『名探偵コナン』など名作がたくさんありますが、一番社会に衝撃を与えたのは『DEATH NOTE』ではないでしょうか。

主人公・夜神月の"正義と悪"は、漫画の垣根を超えて議論されました。

リアルな背景や計算尽くされたストーリーも話題になりましたね。

2010年(平成22年) 平成にドラッガー!『もしドラ』がベストセラー

小説「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」が大ヒット。

こちらはそのコミカライズ版です↓

そもそもドラッガーとは、20世紀に活躍したユダヤ系の経営学者。

その著作は「ビジネスマンなら必ずドラッガーを読むべし!」というくらいエリート階級では有名どころでした。

女子大生×ドラッガーという異色の組み合わせで、その後の出版物にも大きな影響を与えたヒット作です。

ちなみに「説明口調のような長いタイトルの作品」がでるようになったのもこの頃からですね。

同年、AKB48「ヘビーローテーション」発売

グループアイドルの歴史が塗り変わったのは、AKB48の人気爆発によるところが大きいでしょう。

「会いに行けるアイドル」というコンセプトの元、アイドルが身近に感じられる時代がやってきました。

2011年(平成23年)  東日本大震災発生

震災後の作品には、その影響を受けた作品がたくさん生まれました。

2017年に昭和の戦時中を描いた『この世界の片隅に』がヒットしましたが、 漫画はもはや現実を記録するツールになっているのだと思います。

過去を風化させずに、当時の人々の想いを昇華させる。そして後世にその想いを伝え、その感情をリアルに伝えてくれる手段。

誰かが伝えたい"想い"は、ストーリーとなって今後の時代に残っていくのでしょう。

以下の作品は、全て実話を元に構成されています。

同年、アップル創業者スティーブ・ジョブズ氏死去

平成のIT革命を牽引した企業・アップル。

創業者のスティーブ・ジョブズは、まさしく歴史上の偉人となりました。

下記は、スティーブ・ジョブズ本人公認の評伝(評論をまじえた伝記)として世界的なベストセラーになった書籍を、『テルマエ・ロマエ』などの代表作をもつヤマザキマリがコミカライズした作品。

ヤマザキ先生の絵のタッチだからこそ、当時の雰囲気やキャラクターの魅力が存分に味わえます。

アップル創設の経緯から、iPhone iPadの誕生秘話、引退まで。スティーブ・ジョブズの全てがわかるといっても過言ではない作品です。全6巻。

上記の『スティーブ・ジョブズ』がノンフィクションストーリーなら、こちら(↓)は栄光へと駆け上る若者たちのサクセスストーリー

コンピューター創世期の情熱が、これでもか!と感じられる良作。全6巻。

スティーブズ

2013年(平成25年) 「いじめ防止対策推進法」施行

平成は「いじめ」が顕著に表面化した時代でもありました。

いまでこそ、子供たちの"苦しみ"がテレビで取り沙汰されるようになりましたが、これまで学校の責任やいじめが原因として認定されずに有耶無耶になってきた事件も多々あったはず。

フィクションだけれど、決してノンフィクションではない。

漫画描かれている"いじめ"が、なぜ現実ではあり得ないと言い切れるでしょうか。

平成の世に"いじめ"をテーマにした作品がここまで多く描かれたのには、きっと意味があるはず。

2014年(平成26年) ソチ冬季五輪・男子フィギュアで金メダル

20年前にフィギュアスケートがここまで国民に愛されるスポーツになると、誰が予想したでしょうか。

フィギュアスケートの才能に溢れている日本人選手の片鱗は過去にもありましたが、平成生まれのスケーターが次々と世界のトップを席巻しました。

2016年には、アニメ「ユーリ!!! on ICE」も大きな話題に。次の時代も、益々フィギュアフィーバーは白熱しそうです。

2017年(平成29年)  将棋ブーム到来!羽生善治竜王が「永世七冠」

フィギュアと負けないくらい、爆発的人気をみせたのが"将棋"です。

2017年はまさに将棋イヤー!

藤井聡太四段が29連勝、加藤一二三九段が引退したのもこの年でした。

将棋をテーマにした名作はたくさんありますが、中でも平成を代表する漫画家・羽海野チカ先生の『3月のライオン』は一読の価値ありの名作。

15歳でプロ棋士となった天才・桐山零が、孤独の中で温かな出会いと日々を見つけていく下町ヒューマンドラマです。

人生に疲れた時、人間関係に疲れた時、心にじんわり響く作品。既刊14巻。

あとがき

宇宙、ゲーム開発、スマホの進化、SNS、将棋・フォギュアブーム。

平成は"ゆとり""何もない時代"なんて言われますが、決してそんなことはありません。

"技術革命"や"人間性の進歩"において目覚ましい変化を見せた30余年であったと、平成に生まれた世代として、胸を張ってを訴えたいです!

最後までご覧いただき、ありがとうございました。