2004年に週刊少年ジャンプで連載が始まり、人気を博した「D.Gray-man(ディーグレイマン)」
架空19世紀末を舞台に、魂と悲劇を材料に造り出されるAKUMA(アクマ)、そして世界終焉を計画する千年伯爵と戦うエクソシスト達を描いたダークファンタジーです。
2006年頃から休載が相次ぐようになりましたが、今も国内外問わず根強いファンがいます。
今回は途中まで読んでいた人のために、巻ごとのあらすじと回収しておきたい伏線をざっくりとご紹介します。
「あれ、どこまで読んだっけ?」「あのシーン何巻だっけ?」なんて時にご覧ください。
目次
1~2巻 序章
人類の終焉を求めてAKUMAを造りだす千年伯爵と、神の結晶・イノセンスに選ばれた「適合者」エクソシストの戦いが始まっていた。
エクソシスト本部を目指す少年・アレンウォーカーは、教会と少年達の悲劇を経て千年伯爵と対峙する。
過去に自分の手で養父をAKUMAにしてしまったアレンは、その左目にAKUMAが視える呪いを持っていた。
- 神田 初登場(1巻 第5夜)
黒の教団に入団したアレンは、この手でAKUMAを救済することを改めて決意するのだった。
土翁と空夜のアリア
神田と共に初任務についたアレン。たどり着いたマテールの地では、捜索部が進化した悪魔にやられて壊滅状態に陥っていた。
イノセンスによって作られた人形・マテールの亡霊を巡って、アレンと神田は対立する。
仲間のトマに化けたアクマに不意打ちを受け、重症を負う神田。アレンは自分が「犠牲」になると言い、進化した左腕でAKUMAを撃退する。
マテールの亡霊の正体・ララは、唯一自分と一緒にいてくれた人間・グゾルの死を看取り、自身も静かにその動きを止めたのだった。(2巻)
本作では色々なキャラに実在したモデルがいます。(作者の知り合いや著名人等含めて)
千年伯爵のモデルは、時空を旅する錬金術師・サンジェルマン伯爵。
18世紀に存在した"不死の人"といわれた世界最大級の怪人物です。
多くの知識に優れ、預言者と呼ばれ、何十年経とうと50歳前後の見た目で現れたのだそう。
3〜5巻 黒の教団・エクソシスト編
黒の教団壊滅事件
初任務をこなしてイノセンスを教団に持ち帰ったアレン。
ところが教団はコムイ室長の怠惰と欲望によって作られたコムリンⅡによって壊滅の危機に陥っていた。
エクソシスト改造に執念を燃やすコムリンをリナリーが撃破する。
一方その頃、千年伯爵の元にはノアの一族が集結していた。
巻き戻しの街(3巻)
10月9日を何度も繰り返している謎の街、調査にきたアレンとリナリーは失業ばかりして自信をなくしているミランダ・ロットーと出会う。
奇怪の原因となっているイノセンスはミランダの持つ振り子時計のようだが、ミランダは自身で操作することができない。
- ミランダ 初登場(3巻 第19夜)
- ロード・キャメロット 登場(3巻 第20夜)
ノアの一族の一人であるロード・キャメロットの襲撃にあうアレン達。アレンはノアが人間でありながら伯爵の味方をしていると知って動揺する。
適合者となったミランダの力で傷を巻き戻したアレンとリナリーは、ロードの連れたAKUMA達を倒して、街は元どおりとなった。
孤城の吸血鬼(4〜5巻)
- ラビ 初登場(3巻 第26夜)
ブックマンの後継者であるラビと共に元帥を探す長期任務に着いたアレンたち。
クロス元帥の足取りを追う道中、アレンとラビはとある村人達から吸血鬼退治を依頼される。
- クロウリー 初登場(4巻 第31夜)
古城にたどり着いたアレン達は吸血鬼・クロウリーが捕食していたのがAKUMAだったことを突き止める。
回復したアレンの左目によってAKUMAだと暴かれるエリアーデ。
クロウリーは愛した人を自身の手にかけてエクソシストになることを決意する。
5〜8巻 咎落ち・アジア支部編
すべてのイノセンスの核といわれる「心臓(ハート)」を求めて元帥に狙いを定めた千年伯爵との総力戦が始まろうとしていた。
エクソシストたちはそれぞれ「元帥護衛」の任務へと駆り出されるが、死を恐れたスーマンの裏切りによって大量の死者をだしてしまう。
クロス元帥を追って中国へとやってきたアレン達は、そこで"咎落ち"し、イノセンスに殺されようとしているスーマンと対峙する。
スーマンを救いたいと渇望するアレンだったが力及ばず、自身もティキミック卿によってイノセンスを失ってしまった。
アレンを失ったリナリーとラビ達は、ミランダを加えて、アニタの船でクロス元帥のいる日本・江戸を目指す。
海上でLv.3との戦うリナリーは、イノセンスを最大解放して相打ちに。ところが瀕死のリナリーをイノセンスが守り、イノセンスが適合者を救うという異例からリナリーのイノセンスが「ハート」の可能性が出てきた。
満身創痍で江戸にたどり着いた船。ミランダの発動を解いた船は多くの仲間達の死をのせて海底へと沈んでいく。
一方、アジア支部に保護されたアレンは、イノセンスを再び宿すため守り神のフォーとの特訓を続けていた。
9〜14巻 江戸・方舟編
江戸についたラビ達は、千年伯爵が集めたAKUMAたちに挑む。
アレンを捕まえようとアジア支部に乗り込んできたAKUMA、それを撃退したアレンは新たな力「神ノ道化」を手に入れ、方舟の力を使って江戸へむかった。
江戸に箱舟があるのは、裏切ったノアの一人が奏者の資格を誰かに譲り渡してしまったからだという。
江戸から動けない箱舟を捨てて新たな箱舟を作った伯爵は、崩壊寸前の過去の箱舟にアレン達を閉じ込める。
箱舟崩壊までのリミットは3時間。アレン達はティキの気まぐれによって、ロードの能力によってつくられた塔の上にある出口の扉を目指す。
箱舟の中でノアと対峙するアレンたち。神田はラビ達を先に行かせてスキン(怒のノア)と相打ちになり、クロウリーもジャスデビとの戦いで瀕死に。両者とも箱舟の崩壊に巻き込まれる。
塔にたどり着いたアレン・ラビ・リナリー・チャオジーの4人。アレンは退魔の剣でティキの中のノアだけを滅することに成功するが、怒ったロード(夢のノア)はラビの精神を破壊しようとする。
自身を火だるまにして正気を取り戻したラビ。扉にたどり着いたアレン達だったが、ノアを覚醒させたティキミックによって扉は壊され、脱出は絶望的かと思われた。
そこへ箱舟に潜入していたクロス元帥が現れる。クロスはティキを圧倒するが、ノア達は新しい箱舟に心臓を転送(ダウンロード)し終わったという伯爵と共に退散する。
残されたのはボロボロになり、崩れ落ちるだけの箱舟。クロスはアレンを14番目の秘密部屋に放り込み、箱舟を動かすように告げる。
そこにあったのは伯爵も知らない、隠されたピアノ(心臓)。アレンの頭の中に浮かぶメロディ。その歌詞はかつて養父・マナと共に作った暗号で書かれていた。
転送を止めて消滅プログラムが解除された箱舟は元の姿を取り戻す。
箱舟を操れるようになったアレン達はアジア支部、そして本部へと帰還を果たした。
14〜17巻 本部襲撃編
本部に帰ったアレンとクロスを待ち受けていたのは中央庁の役人だった。
- マルコム=C=ルベリエ 初登場(14巻 第135夜)
- ハワード・リンク 初登場(14巻 第135夜)
クロスと14番目(ノア)との関係を疑うルベリエによって、アレンは監査官に監視されることになってしまう。
その時、ノアの方舟から手に入れた卵(アクマ製造工場)を調査していた科学班を、ノアの一族・ルル=ベルがAKUMAの群を引き連れて襲撃する。
科学班のスタッフは次々と殺され、一部は魔術で改造されたスカル(守化縷)にされてしまった。
アレン達はAKUMAと戦い、参戦した元帥たちの力もあって卵を撃破。危機を回避したかに思えたが、進化したレベル4が教団本部内へと侵入してしまう。
室長・コムイへと狙いを定めたレベル4。負傷していたリナリーは装備型イノセンスを"飲み込み"、新たな力を手に入れて、アレンと共にレベル4を撃破した。
黒の教団壊滅事件再び
新本部移転への引っ越し作業に追われるアレン達。
ところがコムイの作った「コムビタンD」が原因でクロウリーがゾンビ化。感染は広がり、本部は再び壊滅状態に陥る。
最後まで生き残ったコムイは、この騒動が本部移転を阻止しようとする亡霊によるものであり、亡霊たちが過去の教団の人体実験による被害者たちであることを知る。
コムイが室長となり、辞めさせるまで続いていた人体実験。コムイは被害者全員の名前を呼び、亡霊を沈めた。
が、結局黒の教団は壊滅。後日引越しの手伝いにきたバク支部長によって救われましたとさ。(16〜17巻)
2006年からはテレビ東京系列にてアニメが放送開始。
全103話に渡ってレベル4撃退(原作では158夜)までが映像化されました。(第1期)
17〜19巻 新本部・怪盗G編
新本部へと移動した黒の教団。アレンはそこでクロスから自身が14番目の「記憶」を移植された宿主であることを知る。
14番目のノアは伯爵を殺そうとしているが、教団の味方とは限らない。
警戒しつつも箱舟の力を求めてアレンを"使う"ことにした中央上層部。
ところが、「この戦争には裏がある」 その言葉を最後に、クロスは何者かに襲撃されて姿を消してしまった。
怪盗G事件
パリでは神出鬼没の怪盗・Gによる盗難事件が、世間を騒がせていた。
捕らえられた怪盗G達はすべて覚えがないと主張している。イノセンスの関係を疑った教団は神田、マリ、アレン(+リンク・監視)を派遣。
ハースト孤児院で暮らす少年・ティモシーを容疑者としてみつける。ところがそこへレベル4が現れ、アレン達は孤児院ごと結界に閉じ込められてしまった。
ティモシーの覚醒と「鴉」と呼ばれる謎の者達に助けられ、アレンと神田はレベル4を撃破。ティモシーは新たなイノセンスの適合者として仲間になる。
19〜22巻 北米支部・アルマ=カルマ編
ルベリエと北米支部は伯爵から手に入れたAKUMAの卵核を使って、半AKUMA化した第三エクソシストを作り出していた。
一方、千年伯爵サイドでは第5の使徒・智(ワイズリー)が目覚め、怒を除く13のノアの使徒がついに揃う。
ヨルダンでアクマと大規模戦闘の任務に着くアレンと第三エクソシストの面々。同時刻、世界各地でノアによるエクソシスト狩りが始まる。
ノアによって制圧された北米支部。そこには第二エクソシストとして生み出され、第三エクソシストの母体とされたアルマ=カルマがあった。
9年前、神田を救うために暴走し、第6研究所を破壊したアルマ。そして大切な人との約束のためにアルマを殺した神田。
第二エクソシストとは、戦闘不能となったエクソシストの脳を移植し、適合権が移行するかの実験だった。
神田の記憶によって目覚めたアルマは教団への憎悪が卵核のダークマターと融合しAKUMA化するが、二人の過去をみたアレンは神田とアルマの殺し合いを止めようとする。
神田のイノセンスに傷つけられることで、14番目として覚醒してしまったアレン。これこそが伯爵の目的だった。
アルマの魂はかつて神田が愛した人であり、彼が彼女に縛られる限り生きてくれるー
自爆したアルマとぼろぼろの神田を、アレンは二人だけの最期を過ごせる場所へと箱舟で逃す。
覚醒とアポクリフォス
14番目への覚醒を危惧され、教団に幽閉されるアレン。
そこへ「ハート」に仕えるヒト型イノセンス・アポクリフォス(隠されたもの)が現れ、14番目を抑えるためにアレンと融合しようとする。
ロードとティキによって教団の外へ逃げたアレンは、「何があっても僕はエクソシストだ」という言葉をリナリーに残して、黒の教団を去った。
23〜26巻 AW(アレンウォーカー)をたずねて。
- アレンとクロスの過去編 (23巻 第206夜)
ひとりぼっちのアレンを案じるジョニーは教団を脱退し、戻ってきた神田と共にアレンの行方を探す。
再会したアレンは14番目化の侵食と、誰にもいえないアポクリフォスの襲撃に苦しんでいた。
癒闇蛇となって再びアレンを追うハワード・リンク。アポクリフォスによって破壊されるティム・キャンピー。
アレンの前に姿を現した千年伯爵。アレンの意識を乗っ取った14番目は千年伯爵をアレンの養父・マナだと呼ぶ。
千年伯爵は13人いるノアの使徒の第1使徒で、唯一死ぬこと(記憶の移植)なく、存在しているノア。
七千年の悠久を生きる千年伯爵が唯一姿を消した数十年があった。ネアとマナという2つの存在に分かれてしまったのだ。
マナとネアは血を分けた兄弟ではなく、まさしく千年伯爵の分身だった。
現在存在する千年伯爵はマナがネアを喰って、元のひとつになったもの。(=理由は「心臓(ハート)」を滅ぼし、千年伯爵としての役割を全うするため)
ただし、マナはネアを喰ったことを忘れ、顔を変え、ネアを探して各地を放浪していた時に、ネアの記憶の宿主であるアレンと出会う。
つまりアレンの養父・マナは記憶をなくした千年伯爵。
現在の千年伯爵は自身とマナを別物だと思っているため、自分を殺そうとしたネア(14番目)に焦がれる気持ちから全ての元凶のマナを憎んでいる。(自分がなぜネアに惹かれるのかは自覚していない)
26巻〜 AW(アレンウォーカー)に別れを告げる
宿主として消えかけたアレンはジョニー達の声で肉体を取り戻す。
ティエドール元帥に保護されたアレン達だったが、アレンはまたもや箱舟で逃走をはかり、神田を巻き込んでしまう。
二人が辿り着いたのは、マナとアレンが出会った「始まりの場所」だった。
アポクリフォスのことがバレてしまったアレンは観念して、神田に自身の過去を話しはじめるー
>>>to be continued....
おわりに
Dグレは「絵が変わった」とか「話がわからなくなった」という声も多いんですが、ストーリーやキャラの背景にブレはないんですよね。
ただ「心臓」とか「聖戦の裏」とか長年明らかにされていない核心が多いだけで。あとマナと千年伯爵が同時に描かれることが多かったのも謎をよんでいるのかなと思います。
筆者は22巻を読んだとき、「なんだ!この面白い少年漫画は!?」と改めてハマってしまいました。
物語はいよいよ核心に迫ってきたので、今後はそれも明かされていくんだろうなぁ。
21巻あたりからの絵柄の変化もどちらかといえば少年漫画らしい絵柄になってきたのではないかなぁと思っています。
総括:Dグレは面白い
最後までご覧いただき、ありがとうございました。