華やかな街並み、鮮やかな着物、美しい遊女達。
花街・遊郭の世界には、女の数だけドラマがあります。
煌びやかな廓の中に隠された愛憎渦巻く大人の駆け引きから、胸を締め付けられる純愛まで。
今回は、そんな花街・花魁を描いたおすすめの漫画をご紹介します。
運命の恋を描いた少女漫画編
青楼オペラ
家族を殺された武家の娘・朱音は、仇を探し出すため吉原一の太夫になることを決意する。
高利貸しの若旦那・近江屋惣右助(おうみやそうすけ)との出会い、心揺さぶられる朱音。 将来がないと知りつつも、惹かれあってしまう2人の運命はー
殺された親の仇打ちというサスペンス要素と、切ない恋心が見事に絡み合い、先の読めない展開が見逃せません。
桜小路先生の描く色っぽい男性と花魁の世界観が魅力の今話題の少女漫画です。既刊9巻。
おいらんガール
火事で家を失い、吉原に売られた商家の娘・椿。
心に傷を負わせた初恋の人を見返すため、花魁の頂点を目指すと心に決めるが、何故か吉原一の花魁・鷹尾に目を付けられてしまいー
型破りな花魁主人公と、彼女をこっそり支えるイケメンのドタバタラブコメディ。
主人公にホモだと思われるイケメンが不憫...。
花魁ものは悲恋が多い中、この作品は安心して楽しめます(笑) 全5巻完結。
花街鬼
愛憎渦巻く、吉原遊郭。そこには、どんな願い事でも叶えてくれるという美しい楼主がいた。果たしてその男の正体は鬼か、幻かー
「執事たちの沈黙」で話題の桜田雛先生が描く、吉原を舞台に次々と巻き起こる愛憎劇。
美麗なイラストが遊郭の世界観にピッタリ。
不思議な楼主の存在が、ほんのりサスペンス風味な花魁ファンタジーです。既刊2巻。
ゆかりズム
高校生の小早川紫(ゆかり)は、200年前、江戸時代の記憶を持つ天才小説家。
ある日、同じ学校に通う立花真秀(まほろ)との出会いをきっかけに、紫の魂は現世と過去世を行き来するようになるー
花魁の死の真相を巡って運命が交錯する、最後まで美しい転生ものの名作。
『花魁・切ない恋・運命』というワードが好きな方なら絶対ハマるはず!全4巻完結。
歴史・時代を描いた、切ない大人向け漫画編
※全体的にエロ注意!
花宵道中
江戸時代後期、幕府唯一公認の遊廓だった吉原。
七つの頃に母を亡くし、山田屋へ引き取られた遊女・朝霧(あさぎり)は、美形の職人・半次郎と出会い、生まれて初めて恋をする。
やがて恋仲となった2人だが、半次郎は殺人犯として指名手配されていてー
小説を原作に、遊女たちの生き様を描いた、儚く、悲しい物語の数々。
たくさんの遊女たちの人生が重なり合い、綴られていく様は圧巻です。
蝶のみちゆき
幕末・明治の長崎丸山を舞台に描いた、1人の遊女の物語。
身を焦がすような恋の果てに、なぜ彼女は廓に戻ってきたのか。
静かなトーンで描かれた花魁漫画の傑作です。高浜寛先生の表現力はもはや芸術。
青年漫画ですが、老若男女問わず、じっくり世界観に浸れるおすすめの作品です。
陽炎 稲妻 水の月 / ひらひら
遊郭に閉じ込められた花魁たちの物語を、1話完結で描いた短編集。
辛い境遇の中で懸命に恋をする女性たちの、切ない物語が詰め込まれています。
それぞれ独立しているので、どちらから読んでも大丈夫。
個人的には、『ひらひら』の方が救いがあるので、後に読むのをおすすめします。
明治姉妹と大正遊女
大正8年、吉原に売られた"りん"は、裏切りが日常の世界に嫌気がさしたところを、1人の男の言葉で救われます。
「仕事を蔑んでも自分を蔑んじゃいけない。」 自分の人生と真摯に向き合う覚悟を決めたりんは、遊女・紅(くれない)として強く美しい花魁へと成長していきー
明治の姉妹と大正の花魁、苛烈な時代を生きる女性たちを描いた短編集。
人生は生き方次第としみじみ感じる作品です。
あとがき
生きるために籠の中に囚われ、愛と性を売る花魁の世界。
美しさと哀しみが交じり合う花街だからこそ、純愛・愛憎・嫉妬・エロティシズムが映える作品が生まれるんでしょうね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!