昭和初期から戦後まで昭和を舞台にしたレトロ漫画おすすめ12選

20世紀の大半を占め、歴代の中で最も長く続いた昭和時代。

62年という歳月の中には、第一次世界大戦にはじまる戦争、戦後の復興、学生運動、高度成長経済がめまぐるしく起こり、まさに激動の時代でした。

今回は、そんな昭和時代を舞台にした人間ドラマやミステリー、歴史マンガの良作をまとめてご紹介します。

少年・青年マンガ編

昭和天皇物語

戦争終了後の激動の時代、日本を導いた昭和天皇の人生を、圧倒的画力で描いた話題作。

日本の歴史を知る上で、”天皇”という存在とその変遷は欠かせないもの。

いまの日本は無宗教や個人主義に拍車がかかり、少しずつ国民性が変わってきていますが、過去を知れば現在を理解できることはたくさんあると感じる作品です。

昭和元禄落語心中

元チンピラの与太郎は、刑務所の慰問で聞いた八代目有楽亭八雲の落語「死神」が忘れられず、出所後八雲に弟子入りを懇願し、どうにか内弟子になることにー

落語の奥深さと人情味あふれる人々の生き様が描かれた名作。

落語のことが何もわからなくても聞いてみたくなる漫画です。全10巻。

この世界の片隅に

戦中の広島県の軍都・呉を舞台に、広島市から呉へ嫁いだ"すず"が、戦時中の街を健気に大切に生き抜く日々を描いた物語。

映画化され話題になりましたが、映画にはない温かみのあるイラストと、戦時中の苦しい出来事のギャップは原作ならでは魅力です。全3巻。

夕凪の街 桜の国

昭和30年、原爆から10年が経過した広島の町。何気ない日常を送る人々だったが、そこには確かに変わってしまったものがあってー

上記は原爆が落ちる前後の作品ですが、本作は原発から10年経った人々の日常を描いた物語です。

戦争とは何だったのか、なぜ広島に落ちなければならなかったのか。

戦争と原爆を日常の中で「経験」した人たちの、確かな心情が描かれています。

それぞれの話が繋がっていて、読むたびに戦争について考えさせられる良書。全1巻。

幽麗塔

昭和29年、文学好きで貧乏な青年・天野太一は、謎めいた美青年・沢村鉄雄(テツオ)と出会う。

テツオとともに時計塔に隠された秘密を探ることになった天野だったが、事態は思いがけない事件へと繋がっていくー

昭和レトロな雰囲気と怪しげな美青年が魅力のミステリーサスペンス。

莫大の遺産の裏に隠された奇々怪界な謎解きを楽しめます。全9巻。

鬼を飼う

昭和初期、帝大生・鷹名(たかな)は金髪の少女・アリスに連れられて、「四王天鳥獣商」という怪しげな店を訪れる。そこは伝説や神話の中にしか存在しない奇獣を扱う店だったー

鬼、妖、果ては神様まで、不思議な生き物の飼い方が満載の怪奇ファンタジー

どこかズレた主人公と常識人の親友のやり取りが面白い。

きれいなイラストが昭和レトロな世界観にぴったりの作品です。既刊5巻。

少女マンガ編

空のオルガン

横浜の男子校に通い、教会でオルガンを弾く少年・恵庭(えにわ)は、絵を描く少女・鞠子と出会うー

激動の昭和初期を舞台に、温かな人々の交流を描いた感動作

少し古い作品ですが、この時代の漫画ならではの良さを全て詰め込んだかのような作品です。全8巻。

昭和ファンファーレ

昭和初期。天性の歌声をもつ女の子・小夜子は、いつかトーキー映画で歌う女優になりたいと夢を抱く。そんな少女が出会ったのは、ピアノの神童と言われる男の子・浅海。

二人の天才少女が出会い、運命が動き出すー

昭和を舞台に、映画女優を目指す女の子の波乱万丈劇。

時代や生まれもあって、なかなかうまくいかない切なさもあり、今後の展開が気になって仕方ありません。

昭和モダンな世界観も可愛らしく、明るい小夜子の笑顔に魅了されます。全7巻。

ミカド☆ボーイ

昭和12年、正義感の強い少年・柴田英人は、登校途中に何者かに追われる少女を咄嗟に助けてしまう。謎の美少女に誘いだされ、たどり着いたのは「神田商会」という怪しげな会社だったー

次々と巻き起こる奇怪な事件に少年たちが挑む、昭和アドベンチャー。

コメディあり、ミステリーあり、ショタあ…(げふん)の、可愛いスパイものです。全4巻。

空と海のあいだ

昭和18年、16歳にして嫁に出された美津子は、顔も知らなかった十和田一臣と夫婦になる。はじめて自分に優しくしてくれた一臣に徐々に惹かれていく美津子。しかし過酷な戦禍は無情にも二人を引き剥がしてー

戦時下の悲劇を描いた、切ないラブストーリー。

キラキラした絵柄に反して、読んでいて辛くなる純愛です。全3巻。

嘘解きレトリック

昭和時代、「嘘」が聞こえる少女・鹿乃子と、貧乏天才探偵・左右馬が繰り広げる本格推理ロマン。

コメディチックな中にも、シリアスな場面や心温まるエピソードが随所に盛り込まれていて、最後まで見逃せません。

レトロな服装や小物、アンティークなども細部まで描かれていて、昭和ロマン好きにはたまらない世界観です。全10巻。

蝶々事件

舞台は、昭和5年の横濱。巷では女子を狙った猟奇殺人が多発していた。身寄りのない少女・香月えれなは、名門・イエーヴァ女学校に編入するため横濱の街を訪れるー

まるで乙女ゲーム!イケメン×事件を描いた学園ミステリー。

キレイな絵柄に反して謎が多く、ドロドロした凄惨な世界観が魅力です。全4巻。

あとがき

昭和を舞台にした作品は、戦時前後やミステリーを扱ったものが多いですね。

学生運動を描いたノンフィクション『レッド』はかなり壮絶な内容なので、興味がある方は読んでみてください。おすすめはしないでおきます(←)

最後までご覧いただき、ありがとうございました!