『最終兵器彼女』ちせとシュウジは結局どうなったのか【最後の結末・ネタバレ注意】

『最終兵器彼女』は1999〜2001年に渡って青年誌で連載された全7巻のSF青春ラブストーリーです。

非日常と日常が混じり合った世界観と、生々しい思春期の描写が話題となりました。

今回は、シュウジとちせが最後にどうなったのかを、感想・考察を交えてご紹介します。

最終兵器彼女のあらすじをざっくりと紹介

のろまでドジっ子なちせと、シュウジは付き合ったばかりのカップル。

ある日、札幌に遊びにいったシュウジはそこで兵器として戦うちせに出会います。

自衛隊とともに「お仕事」と称して、世界中の戦場へ駆り出されるちせ。

シュウジは現実感なく、それを見ていることしかできません。

二人は「逃げよう」と駅で待ち合わせをしますが、ちせは父親に阻まれ、その後任務のポケベルがなったため行けませんでした(1巻)

(出典:最終兵器彼女)

何事もなく日常に戻ったかに見えた二人ですが、ちせは兵器としてどんどん成長を遂げていきます。

一方のシュウジは過去に関係を持ったふゆみ先輩と再会し、ちせに何もできない自分に胸を痛めます(2巻)

学校で兵器として暴走したちせに、恐怖を抱いてしまったシュウジ。

兵器として成長を続けたちせの身体は、どんどん兵器か人間かわからないものへと変貌。

(出典:最終兵器彼女)

過去に関係をもったシュウジとふゆみ先輩にちせの心はかき乱されます。

お互いに相手をキズつけてばかりと後悔する二人。ちせはクラスメイトに戻ろうとシュウジに告げるのでした(3巻)

 

ちせは自衛隊に混じって戦闘することを求め、街を滅ぼすその力は自衛官の間で「死神」と呼称されるようになります。

二人の故郷を襲った地震でシュウジの親友のアケミが死に、遠く離れた戦場では友人のアツシが、ふゆみの旦那のテツがそれぞれ死んでいきました。(4~5巻)

兵器として地球の最後を悟ったちせはシュウジの元へと帰り、二人はかけおちして港町で夫婦のような三週間を過ごします。

しかしメンテナンスをやめて薬もなくなったちせの身体は、少しずつ兵器に蝕まれていきました。(6巻)

原作漫画・7巻の最終回は?

シュウジは"どんな形であれ"ちせが生きられる可能性にかけて、ぼろぼろのちせを自衛隊へ引き渡します。

二人の街へと戻ったシュウジは、初めてキスをした場所で、これまでちせが綴ってきた交換日記(終末の記録)をすべて読みます。

そこへ現れたのは新たに「再生した」ちせでした。

体を触れ合わせるうちにちせの感情を取り戻した"それ"と、シュウジはついに結ばれます。

数日後、ちせが予見した"この星の終わる時"がやってきました。

展望台にいたシュウジは、予想よりもはやくやってきた赤い朝焼けをみて市街地へと降り、両親へと別れを告げます。

「この星が終わるときにこの場所へきてください、私を今でも彼女だと思ってくれるなら…」

星が終わるときちせのことだけを想おうと約束の場所へ走るシュウジ。

雨で崩れた展望台へと土砂をかき分け、二人が結ばれたときに描いたちせの落書きを見つけます。

たくさんの死体の山で終わった世界で、シュウジはただ一人生き残っていました。

(出典:最終兵器彼女)

そこへ最終兵器、宇宙船となったちせがやってきます。

ちせの"中"へと入ったシュウジ。地球を離れていく宇宙船。

シュウジの中にあるちせの姿が映像となり、二人は抱きしめ合います。

(出典:最終兵器彼女)

地球はおわり、ちせは人類の営みを消し去り、その罪を背負って死ぬまで最終兵器として償い続ける。

そしてシュウジはそんな「彼女」であるちせに、一瞬の時間でも「彼氏」として共に寄り添って生きていくのでした。

END

考察:『最終兵器彼女』の最後はバッドエンドなのか?

(出典:最終兵器彼女)

『最終兵器彼女』の終わり方は、"最高のハッピーバッドエンド"と称されています。

最終的に地球は滅び、シュウジ以外の安否はわからず、ちせは宇宙船(最終兵器)となって人間ではなくなりました。(外伝ではその後に地球に残った生命が誕生した様子?が描かれています)

第三者的にみれば、最後に抱き合ったちせはシュウジが具現化した姿であり、シュウジは宇宙船の中でひとり、兵器となったちせに寄り添って生きていくのでしょう。

兵器となってもシュウジの記憶を通してずっと二人は繋がっている。あそこにちせの自我があったと考えればハッピーエンドと言えなくもありません。

筆者としては、宇宙船の中でずっと二人が恋をしながら穏やかに最後を迎えられたらいいなと願っています。

ちなみにアニメ版では二人が地球を離れた描写はなく、真っ白な世界で目覚めたシュウジの前にちせが具現化し、二人は愛を誓い合っておしまいになります。

この物語は最後まで"ちせとシュウジの恋物語"であり、二人の物語の最後が幸せだったかどうかは読む人の解釈次第ということです。

どちらにせよ物質的な形ある幸福というよりも、最後まで笑顔でいられた二人は恋愛ものとしてはハッピーエンドだったんだろうと思っています。

おまけ:2巻と5巻に書かれていた英語・フランス語の和訳

本作にはちせと外国人の会話描写があり、その訳はカバー下に書かれていました。

昔読んだ時すごく気になっていたので、箇条書きで紹介します。

最終兵器彼女2巻・英語翻訳

〜17ページ〜
Where're the choppers!? (空軍はまだこないのか!)
Medik!Medic! (衛生兵!衛生兵!)
Get'yer butt up here! Jones is hurt! (何やってんだ、早く来いよ。ジョーンズが死んじまうよ)
Wait thirtt seconds,buddy...Here! This will makes you feel better. You're gonna be okay.(あと30秒待ってろよ!…ほら、これで楽になるぞ。大丈夫だ)
Oh Lord,help me please!!(ああああ、神様、どうか……)
Shit!!!!Where the hell are those choppers?I can't spot a single flight of ours!!(くそっ!ヘリはどこに行ったんだ?味方の空軍が、さっきから何処にも見あたらねぇ)

You're okay now,Jones...(よし、終わった。ジョーンズ……)

Uggg!!Dammit!(うわぁ、チクショウ)
What is this war al about?Why the fuck are we doing this!!??(くそっ!この戦争は何なんだ。何のために俺達はこんなことを……)

〜18ページ〜
Aggg!!Kill me.I can't bare this any longer.(痛いよ!殺してくれ、これ以上……)
Jones!You're with us,man!(ジョーンズ、しっかりしろ!)
Did you get contact with headquarters?(味方の空軍とのコンタクトはまだか?)

What's the matter?(どうした?)
The enemy... They're gone...(敵が…急に…)
What is it...?(なんだ、あれ?)
......!!Is it human?(なんだ、人か?)

〜20/21ページ〜
...It's... a goddness...(……女神だ)
Commander give us an order! Shall I shootit!?(小隊長、どうします!?撃ちますか?)
I can't catch any ID signal!(味方の識別信号を出してません……)
What're you talking about?(バカ、撃つったって、お前…)
......Shoot it?(撃つったって、お前…)
She's crying....(泣いてる……)
She's a GODDNESS!!!(女神よ!)
Jones!?(ジョーンズ!?)

〜22ページ〜
Are you really a GODDNESS!? Or are you the DEVIL!?(あなたは女神か!?それとも悪魔か!?)
Thy answeer?(どうか答えたまえ!)
Jones, don't!!(ジョーンズ、よせ!)
Your wound's gonna open up!(傷口が開く!)
If yhou shalt be GOD,thou blessings for us who hast no future!! Give this earth thy cure!!!(神なら、どうかこの先のない我々の神のご加護を!この地を癒したまえ!)
And if...if you are a GODDAM DEMON,I am going to shoot you...Shoot you!!!You hear!!!?(もし…もしあなたがくそったれ悪魔ならば僕は撃つ、撃つぞ!)
No,man!You'll die!!(ああ…あ、死ぬぞ!)

最終兵器彼女5巻・英語・フランス語翻訳

〜100ページ〜
Al'attaaaaque!!(わぁぁぁぁ)
Don't shoot me!! You are injured!!(撃つな!!ケガしてんだろ!!)
Don't take arms!!(武器を捨てろ!!)
Merde!Al'attaaque!!(くそったれ!うあああ!!)
Merde!Qu'est-ce qu fait ici...(くそっ!!何でこんなところに…)
Recoure,Recoure...!(リクール、リクール…!)
Nous allons tirer en meme temps.On est foutu.(相打ちだ。助からん!)
On y va!(行くぞ!)

Comment...Une fille ici?(なんで…女の子が!?)
Hein?Serait-ce...? "Chise"...?(まさか!?これが…!?”ちせ”)
Noooooooon!!La Camarde?!(うああああ!!!死神か!?)
Arrete!(やめろ!)
Ne tire-pas! C'est pas possible qu'une fille...(撃つな!いくらなんでもこんな女の子が…)
comme ca soit "Chise"...(”ちせ”なわけ…)

...Idiot.Tirez-donc? Desolee,Vous allez mourir.(…バカ。早く撃ちな?ごめんね。死んじゃうけど)

...Merde...(…くそ…)
Mes pauvres...Vous inquietez pas.N'ayez pas peur.(かわいそうに…大丈夫。怖がらないで)
Vous n'aurez pas mal...(痛くしないから)

地球が滅びた原因、人類の敵はなんだったのか?

最終兵器彼女の"敵"は人類ではないという考察もありますが、筆者は荒れ狂った世界大戦が原因で、宇宙人の襲来ではないと考えています。

その理由は、ちせが外国人部隊を制圧していたこと、上記の会話から外国人の兵士がちせを恐れていたこと、そして街に爆撃を落としていたのが戦闘機であったことなどからです。

すでに地球はぼろぼろになっていて、滅ぶ直前に世界ではあちらこちらで戦争が起きて、その戦禍が日本にも広まったのが一巻の札幌空襲の一端であったのだろうと。

ちせが退路を絶った、補給をできなくしたと言っていたことから、最後は島国に取り残された人類同士で争い、地球滅亡の日まで人類は滅ぼしあったんだろうなと考えています。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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