全9巻『宵の嫁入り』の最後は?これまでのあらすじと最終回の感想【ネタバレ注意】

『宵-よる-の嫁入り』は、2018年から2021年まで『Cheese!』(小学館)で連載され、2021年11月に全9巻で完結しました。

天涯孤独となった女子高生とイケメン弁護士との契約結婚…と思いきや、2巻の最後からとんでもなく意外な展開の現代ファンタジーです。

今回は『宵の嫁入り』のこれまでのあらすじと、最後どうなったのかをざっくりとご紹介します。

「途中まで読んでいたけど内容忘れてしまった」「最終巻前におさらいしたい」という人は途中まで読んでみてください。

それではどうぞ!

これまでのあらすじ

天涯孤独となった三条宵(17)は、弁護士の月島暁人(27)と結婚した。

それは屋敷を守るためだけの政略結婚…そう思っていた宵だけれど、月島の本当の目的は宵の方だった。

しかし「月島が自分を好きになるはずない」そう思い込む宵は、月島のマンションで一夜をともにして自身の恋心を自覚する。(1巻)

(出典:宵の嫁入り)

 

月島に告白した宵だったが本気に取り合ってもらえず、勢い余って押し倒してしまう。本音をぶつけてようやく両想いになれた2人は晴れてデートをすることに。
とある宝石商で指輪を選んでいた2人だが、そこは"以前"にも訪れたことのある場所だった。いまの宵の記憶は"屋敷の呪い"によって塗り替えられたもので、以前の宵は月島との結婚を望んでいなかったことが判明する。(2巻)

その夜、屋敷を訪れた宵のイトコ・縁(ゆかり)を、宵は月島の元カノと誤解するが、縁は宵に想いを寄せる男(♂)だった。

(出典:宵の嫁入り)

 

家政婦の富子は縁を焚きつけて「宵と性行を果たせ」と嗾すが、縁はそれを断る。少しずつ宵と月島の過去が明らかになりはじめる。

記憶のない宵が自分に笑顔を向けてくれることに執着しはじめた月島は、一線を超えることで宵の記憶が戻ることを恐れ、宵を拒絶してしまう。そんな月島に動揺した宵は、富子の薬を使って月島を誘惑。ところがあまりのことに理性を失いかけた月島を見て怯えてしまう。

(出典:宵の嫁入り)

 

そのとき、18歳の誕生日を迎えた縁が、男に戻って宵を迎えに来た。次期当主である縁は18歳まで"屋敷"に男とバレずに過ごさなければならなかったのだ。

本家に連れて行かれた宵は、そこで"本当の記憶"を取り戻しかける。宵は18歳までに異性と一線を越えなければ永遠に目覚めない呪いにかかっているが、それ以前に現状の塗り替えられた記憶との混濁で危険な状態に陥ってしまう。

成り行きでいまの宵に真実を告げた月島たち。宵は月島が「本当は嫌われているとわかっていながら、自分を諦めないでいてくれた」ことを知る。一線を超えれば消えてしまう両想いの関係…宵は半年後までに月島に"私をオトす方法を伝授する"と告げる。(5巻)

(出典:宵の嫁入り)

 

両想いを噛み締めながら幸せな蜜月を過ごす2人。ついに半年後、結婚記念日を前に2人は一線を越え、宵は本来の記憶を取り戻した。(6巻)

記憶を取り戻した宵は月島に嫌われていると勘違いしたまま「離婚してほしい」と告げるが、月島はそれを拒否。

1年間記憶を失っている間にやわらかい雰囲気になっている月島に戸惑う宵だったが、月島の本気の告白を受けて、自身もようやく返事をすることを誓う。
ところが、親族会に赴いた本家で次代の『守宮の娘』が宿っていることが判明。宵は次代が生まれると同時に死ぬ運命だったのだ。(7巻)

※『守宮の娘』は守宮によって繁栄した三条家を妬む者達が残した強大な呪いを浄化する役割をもち、代々屋敷に縛られてきた。

宵をマンションに監禁した月島は、悩む宵に本音をぶつけて2人はついに正真正銘の両想いに。独自で守宮について調べ上げた月島たちは、宵とともにタマ(猫又)のお腹に飲み込まれていた守宮に会うことに成功する。

ここからは最終巻のネタバレを含みます

最終9巻の結末は?

暁人は宵を守る「加護の石」を作るために、守宮のもう片方の目を犠牲にしてでも自分から宵を絶対に奪わせない、と決意していた。たとえ宵に嫌われても。

ところが守宮は呪いはもうかなり弱まっていて、あと少しで消滅できるところまできている、と言う。暁人に頼まれて、全国の霊能力者を調べていた篠ヶ谷。本物の安倍晴明の生まれ変わりであるという女子高生がやってきて、呆気なく呪いは消滅してしまう。(※別作品「夢幻ソワカ」主人公)

無事に呪いが解け、暁人の怯えに気づくことができなかった宵は自身を責める。

(出典:宵の嫁入り)

 

富子が言い出してパーティーを始めることになった会場で、宵は守宮に1年分の忘れた記憶を取り戻してもらう。

過去の言動を思い出して悶絶する宵をからかう暁人。宵は「また両想いに慣れましたね」と、自分を諦めないでいてくれた暁人に微笑むのだった。

5年後ー 23歳になった宵と暁人は、ひとり息子・陽(よう)と共に三条家を訪れていた。

父親を溺愛する陽をなんとか説き伏せて、2人は思い出の場所・高台のジンクスで二人だけの時間を過ごす。宵は過去にできなかった告白をようやく果たし、暁人は宵にこれからも夫婦でいて欲しい想いを告げるのだった。

丘の上でのプロポーズ後、屋敷に戻った宵を待っていたのは、暁人からのサプライズの結婚式だった。

(出典:宵の嫁入り)

 

和装に身を包んだ二人はライトアップされた庭で、いつもの仲間達とのひと時を楽しむ。以前はお互いすれ違いの中で行われた結婚式…暁人は宵にとって酷い思い出だっただろうそれを上書きしたいと考えたのだ。

初夜もやり直した2人。目覚めた宵は、もし自分が『守宮の娘』ではなかったら…暁人と出会うこともなかっただろうと想像する。どれか少しでも違えばいまの自分たちには繋がらなかった。そう考えると、今までの過去が全部必要だったと思えるのだ。

(出典:宵の嫁入り)

 

2人のしあわせな結婚生活はいつまでも続いていくー

 

END

あとがき・感想

最初はイケメン腹黒弁護士がJKを溺愛する現代ものだと思って読み始めたのですが、溺愛のレベルが数段上でした…!まさかの最初から記憶喪失だった!!

意外な展開の連続でとにかくもどかしいすれ違いラブストーリーだったのですが、二人の過去や18歳までに結婚しないといけない理由がきちんと描写されていたので良かったです。特に最終9巻の番外編でボロ泣きしました。宵のお爺ちゃんとお婆ちゃん(前・守宮の娘)のお話です。ぜひ読んでみてください…!

最後までご覧いただき、ありがとうございました。